
【広告運用担当者必見!】無料でできるGoogle Adsのアドベリフィケーション施策
今回は、運用型広告プラットフォームの中で最も活用されているGoogle Adsを取り上げます。Google Adsの管理画面上でできる(=つまり無料の)アドベリフィケーション施策をまとめましたので、ご参考になれば幸いです。
まず、アドベリフィケーションについてのおさらいです。アドベリフィケーションについての詳しい解説はこちらの記事をご参照ください。
本記事では概要のみ記載します。
■アドベリフィケーションとは
アドベリフィケーションは直訳すると「広告を検証すること」になります。アドテクノロジーの中でアドベリフィケーションという場合は、下記3つのことがわかる調査を指しております。
1.アドフラウド
コンピュータープログラムおよびbotなどによって、無効なインプレッションやクリックを発生させて広告費用を騙し取る詐欺の手法がアドフラウドです。搾取された広告費は反社会的勢力の収入源となっているといわれており、早急な対策が必要とされています。
2.ブランドセーフティ
広告出稿企業にとって望まない・適切でないサイトに広告が出稿され、ブランドイメージが毀損されてしまうリスクを防ぐことです。ブランドを毀損するサイトとは、著作権侵害サイトやアダルトサイト、ヘイト系サイト、日本特有のカテゴリである匿名掲示板のまとめサイトなど、多岐にわたります。
3.ビューアビリティ
出稿された広告が、ユーザーの視認できる状態にあるのかを表す指標です。広告が視認されない状態にあっても、インプレッションとしてカウントされ、広告費用が発生してしまう可能性があります。
それでは、Google Adsの管理画面上でできるアドベリフィケーションの施策を、カテゴリ別で具体的に紹介していきます。
■Google Adsでアドベリフィケーション施策
1.配信実績からわかるアドフラウド対策
アドフラウドが検知されるサイトで、簡単に見つけられるものがあります。例えば、CTRが異常に低い、もしくは高いサイトです。このようなサイトは、ユーザーが視認できない場所に広告が表示されていたり(Hidden Ads=隠し広告と呼ばれるアドフラウドです)、botによる不正クリックが仕組まている可能性があります。
他にも、表示回数がカウントされていても、来訪してみると検索ボックスだけが配置されているサイト、ということもあります。ただこのようなサイトを見つけるためには、怪しいURLをすべてチェックしなければならず、現実的ではないかもしれません。
Google Analyticsを組み合わせている場合、IPアドレスを分析することで、アドフラウドか否かを判断できることがあります。データセンターのIPアドレスからアクセスがあった際は、ユーザーではないので、IVT(Invalid Traffic=無効なトラフィック)と判断できます。IVTにも2種類あり、クローラーなどのアクセスは、GIVT(General Invalid Traffic)といわれるもので、IVTの中でも悪意のない部類に入ります。 一方、例えばプログラムなどにより自動化されたブラウザからのアクセスは、はSIVT(Sophisticated Invalid Traffic)といわれるもので、悪意のある無効なトラフィックと分類されます。 GIVTの対応の緊急度は高くないので、SIVTの対応方法をご紹介します。
Google Adsでは、IPアドレスでの除外設定ができます。IPアドレスの除外方法は下記です。
1.Google Ads にログイン
2.対象となるキャンペーンを選択
3.左側のメニューバーから「設定」を選択
4.「その他の設定」をクリック ※ファーストビューでは表示されないことがあります。
5.一番下に、「IPアドレスの除外設定」が表示されますので、そこをクリック
6.除外対象となるIPアドレスと入力し、保存してください。
↓このような画面です。
他にも、不正と思われるIPが検出されるプレースメント自体を除外してしまう方法もありますが、プレースメント自体に広告が表示されなくなってしまうので、ややオーバーブロッキングな対処方法かもしれません。
※Googleでもbot対策としてインプレッションのコストを払い戻します。払い戻しは、将来の請求分に対して割り引く、というものになります。詳しくはこちらをご確認ください。
2.ブランドセーフティ対策
ブランドを毀損してしまうサイトへの広告表示を避けるニーズが出ております。
例えば差別などを助長するようなヘイト系サイトや著作権侵害サイトには広告を表示したくない、というニーズがあります。実際に、このようなサイトに広告が表示されてしまったことで、広告主企業が顧客から「ヘイト系サイトや著作権侵害サイトの活動のスポンサーになっているのか」といったクレームが発生した事例も存在いたします。
Google Ads上で無料でも対応できるものは大きく二つあります。 一つ目はキーワード設定、もう一つはプレースメント設定です。 1つ目は、GDNに対してキーワード設定を行います。設定または除外したキーワードに関連するコンテンツページに広告が表示される、またはされなくなる可能性があります。このようにして、コンテンツが出る面をコントロールすることが可能になります。
2つ目の方法として、プレスメントターゲティングで設定または除外設定をしていくことで対応できます。設定できるのはドメインになり、詳細なURLではないので、厳密な意味で設定対応することが難しい場合があります。
※ニュースサイトへの配信など、掲載されるコンテンツの内容が広告する商品にとって良いコンテンツの場合も悪いコンテンツの場合もあるため
ディスプレイ広告及び動画広告については、それぞれブランドセーフティ対策になる3つの設定機能及び1つのビューアビリティー対策になる機能があります。
Ⅰ.除外コンテンツ
● 惨事、紛争
● デリケートな社会問題
● 冒とく、乱暴な表現
● 性的内容の示唆
● 刺激的、衝撃的
● 度を超さない程度に性的なものを暗示するコンテンツ
Ⅱ.広告枠の制限付き広告枠(動画キャンペーン専用)
その他の広告枠と比較して、例えば下記の様なコンテンツには広告が表示されない設定です。
● 度を超さない程度の下品な言葉使いを含むコンテンツ
● 度を超さない程度に性的なものを暗示するコンテンツ
より除外設定できます。
Ⅲ.デジタルコンテンツのラベルによる除外
映画のR指定のように、一般向け、家族向け、成人向けなどのラベルにより除外設定できます。
3.ビューアビリティ対策
コンテンツタイプを除外することで対策できます。
ライブ配信YouTube動画、スクロールしなければ見えない範囲(ディスプレイのみ)、ドメインパーキング(検索のみ)など、クリエイティブの種類によって除外設定できます。
この設定で、一定のビューアビリティ向上が望めます。
その他の対策
スマートフォンアプリ内の広告については、配信を除外する理由として、ブランドセーフティ対策もしくは商材が広告パフォーマンスと照らし合わせてマッチしないことが多い傾向にあるからです。
スマートフォンアプリ内の広告をすべて配信除外したい場合は、除外プレースメントから、「プレースメントの除外リストを追加する」-「アプリのカテゴリ」で、すべてのカテゴリを選択することで全アプリへの配信を停止できます。
このように細かく設定することで、基本的なアドベリフィケーションでカバーされる内容について対応を実施することが可能です。 ただし、この対応では日々増えたりURLを変えてアドフラウドを行うサイトや、コロナウイルスの猛威の中で新しく発生した「コロナ禍」「COVID-19」や、EUからのUK脱退を指した「Brexit」などの単語のように、日々増えていくキーワード対応など、運用工数が煩雑化かつ属人化してしまうデメリットもあります。
Google Adsの標準メニューで対応しきれない場合はアドベリフィケーションツールを導入して、運用工数を平準化し属人化しない仕組みを作ることが、有効な対策と考えられます。 コロナウイルス流行の影響を受けて、広告費を減らした広告主様も6割程度いるとの調査結果も上がっている昨今。ムダな広告を減らすためにも、広告効果を向上させる施策が結果としてアドベリフィケーション対策になりえます。
Momentumでは、その精度を向上させたり作業工数を劇的に減らすツールをご提供しております。 広告のパフォーマンス改善、ムダな配信の減少を狙った日々の改善施策は、アドベリフィケーションの観点から見ても非常に重要な打ち手であるといえます。 そしてこれらに対してMomentumが提供できるプロダクトでは、直接的な効果改善も期待できますし、運用体制の改善にも期待できます。
その一方で、「そもそもアドベリフィケーションを導入して、費用対効果があるのだろうか?」とお考えの広告主様、代理店様も多くいらっしゃるかと存じます。 Momentumでは、配信ログデータを分析して、現状アドバタイザーが抱えているリスクを可視化できるサービスをリリース予定です。
正式なローンチは少し先ですが、お話だけでも聞きたいという方は下記よりお問合せください。
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